高梁市

備中の小京都

高梁市(たかはしし)は、岡山県中西部に位置し、古来より備中国の中核を占め、近世では備中松山藩の城下町として栄えました。標高430mの臥牛山山頂に建つ備中松山城は現存12天守のうち唯一の山城で、国の重要文化財に指定されています。城下には武家屋敷および町家や神社仏閣が立ち並び、鍛冶町、鉄砲町、弓の町、大工町等、町名にも江戸時代の地割の面影が色濃く残っており、高梁市は『備中の小京都』とも呼ばれています。小堀遠州の築庭と伝わる頼久寺の庭園は国の名勝指定を受けており、わが国を代表する江戸初期の枯山水庭園です。

ベンガラの町

美しい山々に囲まれた盆地の中央部を流れる一級河川高梁川では16世紀頃から高瀬舟での物資の輸送が盛んに行われたため、高梁市は物流の中心地として発展しました。市の北側に位置する成羽町吹屋地区において江戸時代から明治時代まで盛んに生産されていた弁柄(ベンガラ)も高瀬舟を利用し全国に運ばれていました。かつて国内屈指の弁柄と銅(あかがね)の生産で繁栄した吹屋地区は、令和2年6月19日に『ジャパンレッド発祥の地 -弁柄と銅の町・備中吹屋-』として日本遺産に認定されました。

頼久寺

雲海に浮かぶ天空の山城『備中松山城』
江戸時代から残る現存天守12城のひとつで、日本三大山城にも数えられています。秋から春にかけての早朝には霧が立ち込め、朝霧に包まれた備中松山城は見る人の心を奪う幻想的な風景を醸し出します。